むなつきはっちょう

個人的徒然気ままブログ

『ひとりりしり』 8.おッシー第二形態

 


さて説教から解放されて
ようやく一人ゆっくりと今日の日の長さを思った
日記を書く気力が残っておらず
寝袋に入って丸まったが
全く眠れない
雨と風と波 大暴走の3重奏でノイジー


結局寝られないまま起床時間という苦しい展開
外は変わらず大荒れ

おっシーも起きてきた
おっシーは昨日後片付けをしてから眠ったから
私より眠るのは遅かったはずなのに
眠たい感じは一切なく、寝起きという感じも一切なかった


車に乗り込む際私は助手席に座るよう促された
姫沼へ向かおうとするが
途中の道路が高波で浸水するおそれから
通行止めになっていて通れなかった
じゃあしょうがないから戻りますかってゆーニュアンスで
来た道を戻り民宿に帰るのかと思いきや
何処へ行くつもりなのか
さっきの道と違うところを車は走っている
姫沼見れないならもう眠りたいから早く帰ってくれーと思って
「どこへ向かってるんですか?」って聞いたら
「どこだと思う?」
とゆー
初対面の人に「何歳なんですか?」って聞いたら「何歳だと思う?」
って切り返されるのと同じくらい面倒に感じるつまらぬ答えが返ってきた
「民宿じゃないんですか?」と聞いたら
「近いけど違う」とか言い
勝手にヒントを出してきた
「泊まるところ」
「え?民宿じゃないんですか?」
「眠るところで布団があるところで休めるところ」
「わからないです」
「え?わからない?大人なんだからわかるでしょ?」
早朝からおッシーくんは何だかセクハラめいたクイズを出してきて
ハイパーうんざり!てゆーか気持ち悪い!

結局は答えを教えてもらえず
めんどくさいなあって思いながら
自分の孫くらいの年齢の女性に何か危害を加えるだろうか
これから万が一危険なことが起こった場合
もしくはそれを避けるために
どうしようかなどと考えている時に
今運転している道のりがどの辺りかようやくわかった
そして向かっているのはキャンプ場だ!っていうことがわかり
疑った自分が悪いのかおッシーが悪いのか
とりあえずひどい気分になりながらも一安心で
わざわざ私のテントが吹き飛ばされていないか確認に向かってくれたおッシーに感謝したのだった

 

テントは無事だった
おッシーにも褒められるほど
しっかりとテントは張れていたようで
この嵐にも耐えてくれていた
幸いテントの中も水浸しかと思いきや
全く濡れてはいなかった


テントの件で安心し
さっきの件でも気を張り詰めていたということもあって疲れた
今度こそ早々に民宿へ帰ってくれと思ったら
またおッシーは民宿とは違う方向へ車を走らせた
さっきのこともあるしいいかげんにしてよって思いながら
「帰らないんですか?」と聞くと
今度は利尻山を今見ているところと逆の方からみせてあげるというのと
かもめのコロニーに連れて行ってあげるというちょっと今はいいです的親切で
ドライブは続くのだった

天気が悪く今までは利尻山の山頂は全く見えなかったが
地形と風向きの関係で丁度山頂に雲がかかっていないのを見れるポイントがあり
そこへ行き写真を撮ったりしていると
そこへ有名らしい写真家の男性もやってきた
写真家はおッシーよりも少し年齢が若く
60代後半というところだろうか
おッシーはその写真家と仲が良いらしく
あーだこーだとおしゃべりをし
その後なんとその写真家の家で朝ごはんを食べるということになった
う~ん


しかし写真家という人に会う機会などないし
何か面白い話でも聞けたらいいなあと思ったわけで
私はまたもや食事を提供していただけることになったわけで
というか断ることなどできるはずもなくその人の家へと向かった
そこは小さな一階建ての一軒家で写真家一人で住んでいるらしかった
中に入ると写真家は家庭菜園の野菜を取りに行き朝食を作ってくれた
睡眠薬でも入っているのではなかろうねえと古典的なシナリオが思い浮かんだが
食べないわけにもいかず
私は初めて会った人の家で
初めて会った人が作ったサラダとオムレツなどを食べた
写真家は寡黙というか人見知りというか
こちらには興味がないような感じで
私とはあまり会話は弾まなかった
朝食を食べ終わって帰るのかと思いきや
居間にあるミニシアターのようなバカでかいテレビで
ひかりTVのクラッシックコンサートを大音量で1時間くらい見させられた
意味わかんない!

こんな離島の淋しい海のそばで一人で暮らしている写真家って
きっとメタメタにストイックな生活しているんだろうと
いつものごとく勝手にイメージをつくりあげていたので
結局最大の娯楽はテレビだということを
この無駄なくらい大きいテレビが象徴しているようでアレレレ
あとやっぱり写真家だから
撮った写真のスライドショーみたいなものも
例のテレビで見せてくれたのだけれど
山とか植物の写真ってきれいだけど撮ったりするけど特におもしろくない
物事の表面しか見ていない者からすると凄さがわからなかったりして
なんか写真家が撮ったってなると変にこっちも期待してみちゃうから
意外と全然興味をそそらなくてめっちゃつまんなかったー
そしてその写真を一枚一枚おッシーが褒めるというか
よいしょしているのがまた醜くてそんなこんなでもう10時だようー

 

 

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雲まみれ利尻山

やっぱり特におもしろくないよね